証券用語集(参考引用・大和証券株式会社様より)

 ブログの中の言葉や証券用語でつまづいたときに役立てていただければと思い、大和証券さまの用語集を更正して、載せました。(おそらく、グッドウィルの派遣スタッフがやったんだろうなぁー、間違いだらけで苦労しました)

 もっと使いやすい用語集を作りたいと考えています。用語集内のリンクなども負荷する予定です。
 (用語内リンクは、今後もっと増やしていきます。6/1作成分です。まだまだ使いやすくしていく予定です)
 用語説明は、大丈夫だと思いますが、何か不具合がございましたら、道明寺までメールをどうぞ!
 デザインも今後更新していく予定です。

ア行


青天井(あおてんじょう)

どこまでも上昇を続けそうに思われるぐらい、皆が強気になっている相場の状態。雲1つない青空のように陰りがみられず、天井=ピークがない、という意味からきています。しかし現実には、どんな相場も無限に上昇を続けるわけはありませんし、必ず天井があります。逆に言えば、青天井と言われる状況になったら、たとえまだ上がり続けそうに思えても、投資家は慎重になることが重要です。なお、上昇相場における高値水準を「天井」と言い、最高値を「大天井」と呼びます。青天井は、連日、最高値更新を続け、大天井が確認できないような状況を表します。


悪材料(あくざいりょう)

株価や相場が下落する要因となるもの(出来事)。1つの銘柄に対する悪材料は、中・長期的にインパクトを与えるものと、短期的に終わるものとがあります。前者は、製品・商品市況の低下や、金利の引き上げなどによる当該年度の業績悪化、次年度の業績見通し悪化などです。後者は、為替に影響されやすい企業にとって円高が進行した場合や、業績に影響を与えない程度の企業内のトラブルなどです。同類の用語として、「弱材料」「売り材料」があります。これらすべてが出尽くして、株価が反騰し始めた場合、「悪材料出尽くし」と表現されることもあります。


アクティブ戦略(あくてぃぶせんりゃく)

投資信託の運用手法の1つで、ファンドマネジャーの投資判断に基づいて機動的に売買する戦略。投資信託の運用に際しては、ファンドごとに運用を担当するファンドマネジャーが決められ、そのマネジャーの意志のもとに運用方針が決定されます。ファンドマネジャーは、ファンドに組み入れる銘柄を選定するに際して、企業訪問を行ったり、アナリストなどと綿密に経済・金融情勢、企業の業績動向などを話し合います。


頭打ち(あたまうち)

相場(株価)が、そろそろ伸び悩んできた状態のこと。頭打ちには、上昇途上でもみあい(株価が同水準で行ったり来たりすること)に入った場合の頭打ちと、相場が大天井をつけた場合の頭打ちとがあります。頭打ちとなったの場合、どちらなのかを判別する必要がありますが、その手段の1つにケイ線を用いることがあります。勢いよく株価が値上りし、そこから先はこれまでのような動きがなくなった時などは「頭打ち」と表現され、それ以上の上昇は期待できなくなります。しかし、時には「頭打ち」と判断されたものでも、新たに買い材料などが出てきた場合には、再び上昇局面に突入することもあります。


アナリスト(あなりすと)

証券または産業界に関する問題について調査を行い、投資家に投資判断の材料となる適切な情報を提供する専門家。一般に、証券会社をはじめ、銀行、機関投資家などは通常、1種ないしは数種の産業について専門的調査を行うアナリストを擁しています。アメリカでは、アナリストの権威を高めるため、1963年から公認会計士制度にならって、公認証券アナリスト制度を発足。日本でも1962年に、証券分析を通じて証券投資の健全な発展に寄与する目的で、東京証券アナリスト協会が設立されました。その後、1969年に日本証券アナリスト協会と改称しています。ここで行われる検定試験にパスし、一定期間の実務を受けた人が、協会の検定会員として公認のアナリストとして認められます。


アヤ(あや)

長期的にみて、大勢に影響のない相場の小さな変動のこと。相場が上昇局面または下落局面にあっても、簡単に1本調子で1方向に向かうことはそんなにあることではありません。そんな時に起きるのが「アヤ」で、上昇時に一時的に少しだけ下がることを「アヤ押し」と言います。ただし、基本的に上昇基調にありますから、そのあとは元のように値上りが続く見方が強いことに変化はありません。逆に、下落時に一時的に高くなることを「アヤ戻し」と言います。どちらも大局的にみれば、相場に影響を与えるようなものでなく、結果論から「アヤ」だったと判断されることがほとんどです。


委託手数料〈株式売買委託手数料〉(いたくてすりょう)

投資家が証券会社に売買を委託し、約定が成立した場合に、投資家が証券会社に支払う手数料のこと。


インサイダー取引(いんさいだーとりひき)

投資判断に影響を及ぼすような企業の未公開の情報を、ある一定の立場にあるために知った者が、その情報に基づいて、その会社の発行する株式等の証券の取引を行うこと。 証券取引法第166条で、「会社関係者は、上場会社等の業務等に関する重要事実を知った場合は、その重要事実が公表された後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等の売買その他の有償の譲渡または譲受をしてはならないとしている。これに違反した場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる」と定められています。会社関係者には、当該上場会社等の役職員、帳簿閲覧件を有する株主などが含まれ、また、会社関係者から業務等に関する重要事実の伝達を受けた第1次情報受領者も、その業務等に関する重要事実が公表された後でなければ、その上場会社等の株式、転換社債など特定有価証券等の売買をしてはならないことになっています。重要事実には、新株発行など会社が決定する事実、災害による損害等の会社に発生する事実、売上高の変化等の決算にかかわる事実が含まれます。


インデックス運用(いんでっくすうんよう)

日経平均株価やTOPIXなどの指標の動きに連動する運用成果を目標とする運用戦略。インデックスとは指数のことで、日本の日経平均株価、ニューヨーク市場のダウ指数、MSCIインデックスなど、マーケットの動向を表す指標のことを言います。こうした指標とほぼ同一の投資収益を上げることを目標として運用するために、株価指数を構成する銘柄に機械的に投資するという手法を用い、とくに機関投資家の大量の資金運用に用いられます。


売り気配(うりけはい)

ふたつの意味で使われています。ひとつは、売り方の提示する値段のことをいい、この値段のことを「気配値」と呼びます。もうひとつは、売り注文が多く、それに見合う買い注文が少ないときに値段がつかない状況のことをいい、「ヤリ気配」とも言われます。


上値(うわね)

現在の水準の値段より上の値段であること。「うわね」と読みます。この言葉は、相場のさまざまな状況下で用いられます。まず、株価が今より上の水準ではなかなか上昇することができない時、「上値にしこりがある」などと言うことがあります。また、勢いよく上昇する状態では「上値を追う」「上値追い」などとも言い、逆にそこが上昇の限界と判断されれば「上値は重たい」などとも使われます。この反対が「下値」で、その水準よりも低い値段のことを指します。


大型株(おおがたかぶ)

TOPIX(東証株価指数)を補完する「規模別株価指数」の算出において、上場後6か月以上経過した東証市場第一部銘柄の中から、時価総額と流動性が高い上位100銘柄(TOPIX100の算出対象)を「大型株」、大型株についで時価総額と流動性が高い上位400銘柄(TOPIX Mid400の算出対象)を「中型株」、大型株・中型株に含まれない全銘柄(TOPIX Smallの算出対象)を「小型株」と呼び、これらの分類に基づいて株価指数が算出されています


大株主(おおかぶぬし)

ある会社の発行済み株式の総数に対し、大口の株数を所有する個人、法人を含めた投資家。会社の株主になるにあたっては、一部の外国人に対しての制限を除いてほとんど問題はなく、個人、法人いずれでもいいことになっています。そのなかでも、1つの会社の発行済み株式に対し、大量の株式を所有している投資家を「大株主」と言います。ただし、特にどれだけの株式を所有するものが大株主であるという基準はありません。傾向としては、金融機関、事業法人、その持ち株会社などが大株主の上位を占めています。また、大株主のなかでも最も株数が多い株主を、「筆頭株主」と言います。


大引け(おおびけ)

証券取引所などにおいて、1日の取引をすべて終了した状態のこと。取引を終えることを「引ける」と言いますが、引けは午前の立ち会い(前場)、午後の立ち会い(後場)の2回あり、これを時間順に並べると前場寄り付き、前場引け(前引け)、後場寄り付き(後場寄り)、大引けとなります。大引けで出された値段を「大引け値」あるいは「引値」と言いますが、これと終値は若干異なります。例えば、2時30分に600円の値がついて、その後買い気配のまま値がつかなかった場合、大引け値は存在しませんが、終値は600円となります。


オプション取引(おぷしょんとりひき)

一定の期日(期間内)に、一定の数量、一定の価格で「売る権利」または「買う権利」のことをオプションと言い、この権利を取引することをオプション取引と言います。「買う権利」のことをコールオプション、「売る権利」のことをプットオプションと言います。オプションとは選択権のことをいい、オプションの買い手は、条件次第でこの権利を行使することも放棄することもできます。一定の期日(権利行使日)にのみ権利行使できるオプションをヨーロピアンタイプ、一定の期間内にいつでも権利行使できるオプションをアメリカンタイプと言います。


終値(おわりね)

株式取引などにおいて、1日の取引の最終値段。終値は、1日の株価の推移をみるうえで、大きな役割を果たします。まず、前の日との比較で高く終わったのか、安く終わったのという基準になり、1日のなかでもどういう流れで動いた後に引けたのかを見極める判断材料としても利用されます。チャート分析で使われるローソク足を描く際、月間ベースの月足や、年間ベースの年足は、日々の終値を四本値(始値、高値、安値、終値)としてとられることもあります。ですから、その後の株価推移を占ううえで、日々の終値は重要な数字と言えます。なお、終値には、午前、午後とありますが、「日の終値」という場合は、午後の終値を指します。


カ行


買い気配(かいけはい)

ふたつの意味で使われます。ひとつは、買い方の提示する値段のことを言い、この値段のことを「気配値」と呼びます。もうひとつは、買い注文が多く、それに見合う売り注文が少ないときに値段がつかない状況のことを言います。


外国為替証拠金取引(がいこくかわせしょうこきんとりひき)

通貨を売買する外国為替取引と取引金額よりも少額の証拠金を預託して大きな取引を行う証拠金取引を合成した取引で、金融先物取引の一つ。


外国投信〈外国投資信託〉(がいこくとうしん)

外国の法制に基づき、海外で設定・運用される投資信託。外国投信が国内投信と最も異なる点は、日本の投信法に基づいて設定されたものではなく、設立された国の投信法に基づいていることにあります。外国投信の価格は米ドル建てを中心に、豪ドル建て、ユーロ建て、ポンド建てなどの外国通貨で表示されてきました。しかし、199812月からは円建ての外国投信が認められ、外国投信の価格は円を含むすべての通貨建てが可能となりました。外貨建ての場合、外貨ベースで好成績が上がっていても、為替の動向次第で投資効果が異なってしまう場合もあるため、為替の変動に注意が必要です。


外債〈外国債券〉(がいさい)

外国債券の定義には、通貨による定義、発行体による定義、発行地域による定義などがあり、その時々によって使われ方が異なります。通貨による定義では米ドルやオーストラリアドルなどの外国通貨建てで発行される債券のことを言います。発行体による定義では海外に本拠地がある発行体が発行する債券のことを言います。発行地域により定義では海外で発行された債券のことを外国債券といいます。例えば、サムライ債は通貨による定義と発行地域による定義では国内債になりますが、発行体による定義では外国債券になります。また、ユーロ円債は通貨による定義では国内債に、発行地域による定義では外国債券に、発行体による定義では発行体によって国内債にも、外国債券にもなります。


買い材料(かいざいりょう)

株式投資において、株式を買う根拠となる材料。株価は、さまざまな情報によって値段が動きます。株価を動かす要因を「材料」と呼びますが、これには株価を引き上げる「好材料=買い材料」と、株価を引き下げる「悪材料=売り材料」があります。材料には、為替動向、景気、原油価格、金利、企業業績、政治などさまざまな要素と、投資家の思惑や予測が重なります。1つの材料を取ってみても、買い材料かどうかは、それぞれの銘柄や時期によっても異なります。例えば、為替が円高に進んだ場合、輸出を主力とする企業では売り材料になる反面、輸入が多い企業では買い材料になるケースが普通であり、それぞれの企業の輸出比率などによっても異なってきます。また、業績が前年度と比べて大幅に上昇していても、市場の予想と比べて上昇率が低ければ売り材料になることもあります。


会社型投資信託(かいしゃがたとうししんたく)

会社型投資信託。投信の投資活動を目的とする株式会社として設立する形態の投資信託。投資信託はその設定形態によって、契約型投資信託と会社型投資信託に分けられます。会社型投信は、証券投資を目的とする会社を設立し、投資家が株主となり運用成績を分配金として受け取れる仕組みです。投資家は、株式投資の株主と同じように、投資主としてそのファンドに対する発言権を持つことになる点が、契約型である証券投資信託とは異なります。日本の投信は、従来はすべてが契約型の投信でしたが、199812月に新しい投信法が施行され、証券投資法人の設立が可能になり、会社型投信の設定ができるようになりました。


会社更正法(かいしゃこうせいほう)

経営の行き詰まりで窮境にあるものの、再建の見込みがある株式会社を対象に、事業を継続しながら更正を図ることを目的とした法律。会社は経営で行き詰まったと判断すると、裁判所に更生手続き開始の申し立てを行い、裁判所が受理すると財産保全命令が出されます。裁判所はその決定または棄却をしますが、決定の場合は1人または数人の管財人を選びます。管財人は更生計画を策定して、裁判所の認可を受けたうえで再建に乗り出します。


買い場(かいば)

買いを出すにあたっての好機。あるいは、そういった相場状態のこと。株式の売買取引には、タイミングが肝心な時があります。買おうとしていた銘柄の推移を見守っているうちに、天井をつけてしまって時期を逃がしたり、所有していた銘柄の売り時を逸したり……。そんななかで、相場つきになんらかの変化が生じ、絶好の買いのタイミングがやってくる時があります。それを「買い場」と言います。これを逃がすと、高値つかみになることが往々にしてあります。この反対語が、絶好の売りのタイミングである「売り場」です。

買戻し(かいもどし)

信用取引で売りから入った銘柄を、買い戻すこと。株式の信用取引では、他者から株式を借りて売却し、株価が値下がりしたところで買い戻し、利益を得ることができます。つまり、あらかじめ高い株価で売っておき、安くなったところで買い戻すことにより、その差額が利益になるのです。そして、買い戻した株式を、借りた人に返還すれば、すべての取引が終了します。ところが、売りから入ったものの、見込み違いで株価が値上がりしてしまうと、安い株価で買い戻すつもりが、高い株価で買い戻さざるを得なくなるため、損失が拡大してしまいます。もちろん、再び株価が値下がりするのを待つこともできますが、信用取引は決済の期日が決められており、それまでに取引を清算しなければなりません。そのため、決済期日が近づくと、仮に損失を被っていても、買い戻すことによって取引を清算しなければならなくなります。損失を被って買い戻すことを「踏み」といい、関西地域では「イレ」とも言います。


額面(がくめん)

有価証券に記載された金額のこと。株式については2001年の商法改正により額面という考え方はなくなりました。債券については、券面に記載されている10万円、100万円といった金額のことをいい、債券の量や債券の条件を決める基本となります。同一(1銘柄)の債券において、全ての額面の合計金額がその債券の発行額となります。


株価指数(かぶかしすう)

複数銘柄の株式の値動きを総合的に表し、市場の動きを把握する目的で算出された株式指標のこと。我が国においては、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などが良く知られており、米国ではダウ指数、SP500、ナスダック指数が、英国ではFT100などが良く使われています。株価指数はそれぞれの基準で計算されています。例えば、日経平均株価は一部上場の225銘柄を対象とし単純平均した指数であるのに対して、東証株価指数は東証1部上場銘柄を対象に加重平均した指数になっています。


株式公開(かぶしきこうかい)

広く一般投資家などに株式を開放し、市場での売買を可能にすること。株式を証券取引所に上場して、誰でも自由に取引できるようにすることを言います。企業にとって株式公開は1つの目標となります。


株式売買委託手数料(かぶしきばいばいいたくてすうりょう)

投資家が証券会社に売買を委託し、約定が成立した場合に、投資家が証券会社に支払う手数料のこと。


株式分割(かぶしきぶんかつ)

既発行株式をいくつかの株に細分化すること。資本金を変えずに発行株数を増やして、持ち株に応じて株主に増加分を分配することを「株式分割」と言います。従来は無償で新株を株主に割り当てる無償増資と区別していましたが、1991年4月の商法改正で無償増資も株式分割と呼ぶようになりました。


株式併合(かぶしきへいごう)

いくつかの株式をまとめること。既発行株式をいくつかの株に細分化する「株式分割」とは反対に、複数の株式を1株にまとめてしまうことを言います。ただし、株式併合を行うには、企業が1株当たり純資産を5万円未満から5万円以上にする場合など、いくつかの条件を満たし、株主総会の特別決議を経なければなりません。これは、端株の株主を増やすなど、株主の利益を侵す可能性があるからです。


株式ミニ投資〈ミニ株〉(かぶしきみにとうし)

通常の売買単位の10分の1で取引できる制度。199510月、資金力に乏しい個人投資家でも手軽に株式を買うことができるように導入されました。例えば、株価1,000円のA社の株を買う場合、通常は最低売買単位1,000株の売買代金100万円が必要となりますが、株式ミニ投資を活用すれば10万円で済むわけです。売買の対象は、原則として、東京・大阪・名古屋・ジャスダックの証券取引所に上場している株式です。ただし、NTT株のように額面が5万円で、売買単位が1株の銘柄は対象外となっています。また、取引所では売買単位未満の株式の取引をしていないため、投資家が注文を出しても、証券会社がすぐに取引所につなぐ仕組みにはなっておらず、翌日の最初の取引(寄り付き)の価格で売買されます。


兜町(かぶとちょう)

東京証券取引所を中心とする証券街の別名。政治の中心地を「永田町」、行政の中心地を「霞が関」と呼ぶのと同じように、証券の中心地は「兜町」と言います。東京・日本橋兜町は、東京証券取引所が立地しているほか、大小の証券会社が密集しており、株式取引の中心地だからです。海外でも、「ウォール街(ニューヨーク証券取引所周辺)」「シティー(ロンドン証券取引所周辺)」と言われるように、証券・金融の中心地は独特の名前で呼ばれています。日本では、兜町のほかに、「北浜(大阪証券取引所)」「伊勢町(名古屋証券取引所)」が有名です。

株主(かぶぬし)

株式の保有者、若しくは、名義書換をしている又は保管振替制度により実質株主の届出をしている株式の保有者。名義書換又は実質株主の届出を行うことにより直接的、間接的に会社経営に参加することができ、「株主権」と呼ばれる様々な権利を有することができます。なお、株主の性格や状態によって、法人株主、個人株主、外国人株主、大株主、少数株主、安定株主などと区別されることもあります。

株主資本(かぶぬししほん)

会社の資本となる財産。貸借対照表で資産が負債を上回っている部分で、株主の持ち分を意味します。「自己資本」あるいは「純資産」とも言います。証券取引所が企業に対し、株主への利益配分がおろそかにならないように、決算発表資料などで「株主資本」という表現の使用を義務づけたことから浸透するようになりました。具体的な内容をみると、「資本金+資本準備金(株式の額面と発行価格の差額)+利益準備金(利益のうち、会社の体質強化を目的に積み立てたもの)+引当金(将来的に支出が確実視される費用)+剰余金」から「繰り延べ資産(1年以上かけて消却する費用)」を差し引いた額となります。


株主総会(かぶぬしそうかい)

会社の意思を決定する最高機関。株主総会には、決算期ごとに定期的に開く定時株主総会と、必要な際に臨時で開く臨時株主総会の2つがあります。取締役会が招集し、取締役の選任のほか、決算書の承認、定款の変更など、会社運営上の重要な事項はここで決議されます。


株主優待制度(かぶぬしゆうたいせいど)

会社が株主に対して、自社のサービスや製品を提供する制度。個人株主の安定化などを狙いとして、企業が取り組んでいる株主優遇策の1つです。自社路線の無料パス、プロ野球や映画・演劇の招待券、レストランの飲食割引券などがその代表的なものですが、最近では株主重視の傾向を反映し、本社所在地の名産品(例えば、特産有機米コシヒカリ)など自社以外の製品やサービスを提供するケースも増えています。投資採算をみる場合は、配当のほかに、優待で得られる便益も金額換算して利益還元率を計算する必要があるでしょう。
,私が集めた株主優待権情報もどうぞ。


カラ売り(からうり)

信用取引を利用して、証券会社や証券金融会社から株を借り入れて売却すること。「信用売り」とも言います。


監査法人(かんさほうじん)

会社の決算など、法人の運営が適切に行われているか監査をする法人。1967年の公認会計士法の改正により認められたもので、公認会計士5人以上の社員で構成されます。今日では、多くの企業が監査法人の会計監査を受けるようになっています。なお、とくに大規模なものを「大監査法人」と呼びます。


監理ポスト(かんりぽすと)

証券取引所において、上場廃止の可能性がある銘柄を暫定的に売買するポスト。経営不振などのニュースが伝えられたにもかかわらず会社の説明が不十分な時や、浮動株の不足など上場基準に抵触した際、その株は「監理ポスト」に移行して売買が行われます。売買の方法はほかの一般銘柄と同様で、上場廃止の必要がないと判断されれば、その時点で元のポストに戻されます。ただし、上場廃止が決まった場合は、上場廃止銘柄の売買を行う「整理ポスト」に移されます。


機関投資家(きかんとうしか)

株式や債券などで資金を運用することを業務とする法人のことを言います。その定義は明確ではありませんが、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、投資信託会社、年金信託、商業銀行などのことを指すのが一般的です。


企業業績(きぎょうぎょうせき)

企業が会計年度に行った業務の結果を表した決算や決算の見通しのことを言います。決算の状況を語句で表したり、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書などの数値で表します。決算や決算見通し、その変更などは株価に大きな影響を及ぼします。


議決権(ぎけつけん)

株主が株主総会で各種の決議に加わる権利。株主は議決権を通して権利を行使します。各種の決議の代表的なものは、決算書類、取締役・監査役などの役員の選出です。持ち株1株について1個の議決権を持つのが原則です。


規制銘柄(きせいめいがら)

日々公表銘柄に指定後もなお投機化が進んだ時、証券取引所は一段と信用取引の規制を強化しますが、この措置を受けた銘柄のこと。規制銘柄に指定されると、証券取引所は、(1)その銘柄の委任保証率の引き上げ、(2)代用証券の担保掛け目の引き下げ、(3)委託保証金の一部現金徴収――などを、状況に応じて行うことになります。規制は、相場の状況をみながら、投機がさらに激化するようなら、さらに強化されることになりますが、それでも収まらない場合は、信用売り・信用買いのいずれか、または両方が停止されることもあります。


北浜(きたはま)

大阪証券取引所の所在地で、大阪証券取引所(大証)またはそれを中心とする証券街の別名。大阪市東区の北西部にある町名で、東京の兜町に次ぐ日本の二大証券街の1つです。北浜が取引所と関係ができた最初は、寛永年間(162444年)に、淀屋の米市(堂島米市場の前身)が開かれたこととされます。1878年、兜町の東京株式取引所に次ぐ2番目の取引所として大阪株式取引所が設立されました。そして、1949年には会員組織による大阪証券取引所として新発足し、現在に至っています。北浜には、大阪証券取引所のほか、証券会社をはじめ銀行、生・損保会社などの金融機関の本支店も数多くあり、大阪のビジネス・センターの1つとなっています。


逆ウォッチ曲線(ぎゃくうぉっちきょくせん)

株価にプラスして出来高(売買高)も分析材料に使うチャート分析手法。チャート分析は通常、株価の動きをもとに行いますが、逆ウォッチ曲線は株価にプラスして出来高(売買高)も分析材料に使う分析手法です。逆ウォッチ曲線は、次のようにして作成します。株価を縦軸に、出来高を横軸にとって、それぞれの25日移動平均線(または30日移動平均線など)の交わる点をつないだ図表を作ります。できた形は通常、時計と逆回り(左回り)の軌跡を描くので、「逆ウォッチ曲線」と呼ばれます。売りと買いは、出来高が増えて株価も上昇中の時は買い、出来高が減って株価も下落中の時は売り――を基本として判断することになります。


キャッシュフロー(きゃっしゅふろー)

税引き利益に減価償却費を加え、配当および役員賞与を差し引いた金額。企業活動を現金の出入りからとらえた場合の収支状況で、実際に資金がどれだけ残ったかを示します。近年は、企業価値の評価にキャッシュフローを使うことが、流行とさえ言えるほどになっています。これが大きいほど設備投資などの際に外部資金に依存するウエイトが小さくなるため、企業財務の健全化を表す1つの指標となっているわけです。膨大な額の減価償却を行っている企業の場合、税引き利益がその分減るため、株価収益率は高くなりますが、「株価÷1株当たりキャッシュフロー」で算出される株価キャッシュフロー倍率は、分母に減価償却が加わる結果、低くなります。なお、キャッシュフローから設備投資を差し引き、売上げ債権・棚卸資産と買い入れ債務の差である運転資本の増減額を調整したものが、「フリーキャッシュフロー」です。これは自由に処分できるキャッシュフローで、借入金の返済原資になります。


急騰(きゅうとう)

株価が急速に大きく上げること。株価は、企業業績の裏付けや、新商品および新技術の開発といった支援材料に反応して値上がりするだけでなく、ちょっとした噂にも反応して上昇することがあります。そして、その材料の中身が衝撃的であればあるほど、株価は短期間に大きく値を上げます。この状態を「急騰」と言います。この表現は、個別銘柄の1日〜数日の動きについて言うことが多いですが、より長期の動きや相場全般(例えば日経平均株価)について言うこともあります。なお、「急騰」の反対が「急落」で、株価が急速に大きく下げることを言います。


急反発(きゅうはんぱつ)

下げていた株価が一転して大きく値上がりすること。なお、「急反落」は急反発の反対で、上げていた株価が一転して、急に大きく値下がりすることです。


急落(きゅうらく)

株価が急速に大きく下げること。株価は、業績の下方修正、特許侵害で訴えられたといったなんらかの悪材料が出た時のほかに、ちょっとした噂に反応して下落することがあります。そして、その材料の中身が衝撃的であればあるほど、株価は短期間に大きく値を下げます。この状態を「急落」と言います。この表現は、個別銘柄の1日〜数日の動きについて言うことが多いですが、より長期の動きや相場全般(例えば日経平均株価)について言うこともあります。なお、「急落」の反対が「急騰」で、株価が急速に大きく上げることを言います。


金融先物取引業者(きんゆうさきものとりひきぎょうしゃ)

委託者からの取引所金融先物取引等の注文を金融先物取引所で執行する業務あるいは他の業者に取り次ぐ業務及び一般顧客を相手方として店頭金融先物取引を行う業務等について、金融先物取引法による登録を受けた者をいいます。


金融ビッグバン(きんゆうびっぐばん)

1996年〜99年にかけて集中的に進められた日本の金融・証券市場制度の大改革。イギリスでは、ロンドンの金融街・シティーの活性化を図るため、198610月に証券市場の大改革が行われました。これがいわゆる「ビッグバン」で、宇宙の始まりの大爆発から命名されました。一方、日本ではバブル崩壊後、東京の証券・金融市場も世界の3大市場の1つとしての地位が揺らぐなか、シティーのビッグバンにならった大改革を実施することになりました。「金融ビッグバン」「日本版ビッグバン」と呼ばれるものです。


食い合い(くいあい)

取引所で約定された売りと買いの組み合わせのこと。「取り組み」と言うこともあります。基本的には株式用語というよりも、商品先物取引において用いられる用語です。取り組み表と呼ばれる一覧表があり、そこにその日の売りと買いの状況が記されています。また、売買の数量関係のことを「食い合い関係」または「取り組み関係」と呼び、取引所で売買の約定は行われたものの、まだ決済が行われていない玉のことを「食い合い高」と言います。


グロース・ファンド(ぐろーす・ふぁんど)

今後の成長性が期待される企業(グロース株)への投資を行うのがグロース・ファンドです。株価の割安性に着目し、バリュー株への投資を行うバリュー・ファンドに対比されます。なお、グロース・バリューの概念は厳密な定義が難しく、また時間の経過とともに変化し得る点には注意が必要です。


経常利益(けいじょうりえき)

企業の活動に際して、経常的かつ継続的に発生する利益。売上高から売上原価、販売費・一般管理費を引いた営業利益に、金融収支などの営業外損益を加減したその期の利益が、「経常利益」です。利益(純利益、税引き前利益)は、経常利益に特別損益を加減したものです。特別損益とは、土地などの売却損益、価格変動準備金の戻し入れや繰り入れ、投資有価証券の評価損益や売却損益、不慮の災害による損益などを指します。経常利益と利益を比べた場合、一過性の損益に左右されない経常利益のほうが重視されるのが一般的です。ただし、保有する上場株を流動資産の短期有価証券に計上することにより、業績が予想外に悪化した期に売却して営業外収益を増やし、経常利益のカサ上げを図ることも可能なので、経常利益も必ずしも実質利益とは言い切れません。


ケイ線〈罫線〉(けいせん)

将来の株価を予測するために過去の株価の動きをグラフ化したもの。ケイ線を分析することで株価の将来を予測することについては、有効性を否定する見方もなくもありませんが、大方の見方は十分に有効性を持つというものです。ケイ線分析で最もよく使われるのが、「ローソク足」です。1日の値動きを示す日足(ひあし)として考案されましたが、週足、月足などにも使われています。ローソク足は「陰陽足」とも言い、ある期間(日足なら1日、月足なら1カ月)の株価の始値・高値・安値・終値を図形化したものです。始値より終値が高い場合は白抜きのローソク状の図形、逆の場合は黒く塗りつぶしたローソク状の図形で表します。高値と安値は、そこから突き出た線(ヒゲ)で表します。アメリカでは、ケイ線のことを「チャート」と呼びます。


決算(けっさん)

企業の一会計年度における営業成績。3月決算の企業の場合、9月までの上半期の決算を「中間決算」と言い、3月までの1年間の決算を「本決算」と言います。


気配(けはい)

ある銘柄について、約定が最優先される買い方および売り方の注文の値段。現在、取引所に出ている買い注文の最も高い指し値が701円、売り注文の最も低い値段が703円だとすると、「買い気配」が701円、「売り気配」が703円ということになります。これを簡単化して、701円カイ、703円ヤリ(「ヤリ」は「売り」と同じ意味です)と言ったりします。19951113日以降、全上場銘柄について気配が公表されるようになりました。さらに、最近は注文数量の公表も始まり、取引の透明化が進んでいます。なお、大きな好材料または悪材料が突発的に出て、買い注文または売り注文が殺到すると、売買が成立せず、気配だけが上がるまたは下がることになりますが、これを「気配を切り上げる」または「気配を切り下げる」と言います。


減益(げんえき)

会社の利益が前期に比べて減ること。単に「減益」と言えば、いわゆる利益(税引利益、最終利益)が減少することを指します。営業利益や経常利益が減少することも減益ですが、その場合は「営業減益」「経常減益」といった表現で区別するのが普通です。前の決算期の利益に対する減少率を%表示したものが「減益率」です。


減資(げんし)

株式会社または有限会社において、資本の額を減少させること。「資本減少」の略称です。減資は、形式(名目)上の減資、実質上の減資の2つに大別できます。形式(名目)上の減資は、経営が悪化して資本の欠損が生じている会社が、会社財産の払戻しは行わず資本の額だけを減少させることによって、欠損を縮小または消滅させ、将来の利益配当を行いやすくする目的で行われます。一方、実質上の減資は、会社財産の一部を株主に返還して、その営業規模を縮小する目的で行われます。日本では、経営が悪化した会社の再建策として減資が行われることがよくみられます。会社更生法の手続きでは、資本の額がゼロになる100%減資が行われることもあります。この減資は、一定の株式を株主の持ち株に応じて一定割合で消滅させる株式の無償消却や併合などの方法で行われます。


堅調(けんちょう)

相場が上昇基調を続けていること。相場全般および個別銘柄の両方で言われる表現で、相場が底固くしっかりした状態を、ある程度以上に続けている時に使われます。この「ある程度以上」には、非常に幅広い時間が含まれます。短い時間の場合、例えば「朝方は堅調に推移していたが、為替相場が円高に振れた10時以降は、前日比マイナスに転じ、……」というように、1時間程度のことに使うことがあります。一方、長い時間の場合、「今年は全般的におおむね堅調だったが、7月以降は景気の先行きに弱気な見方が広がり、弱含みの展開になった」というように、半年あるいはそれ以上の期間に使うこともあります。ただし、寄り付きだけが高かった場合や、ザラ場に瞬間的に上げた場合などには、堅調という表現は使いません。反対語は「軟調」です。


権利落ち(けんりおち)

増資や株式分割などの権利を落とすこと。広義には、配当を受け取る権利を落とすことも「権利落ち」と言いますが、通常、それは「配当(権利)落ち」と言って区別しています。狭義には、増資や株式分割に際して、旧株に割り当てられる新株などを取得する権利がなくなった状態を指します。「配当落ち」と区別して言う時は、「新株落ち」と言います。なお、3月末割り当ての権利落ち(当権利落ち、新株権利落ち)は、4日目決済の原則からすれば29日になりますが、実際には各月末日(3月の場合31日)は含めないことにしているので、28日が権利落ち、権利付き最終日は27日になります。


好材料(こうざいりょう)

一般的に株価を上げると考えられる原因や出来事。相場全般および個別銘柄の両方で言われます。


国債(こくさい)

政府が発行する国庫債券。国が、その経費をまかなうために行う借金の見返りに発行される証券のことです。


個人向け国債(こじんむけこくさい)

日本国が個人のみを対象に発行する10年満期で、利率が半年ごとに見直される変動利付国債のこと。日本国が半年ごとの利子や満期時の元本の支払いを約束しており、購入単位は1万円。


後場(ごば)

午後に行われる取引のこと。日本の株式市場における取引は、昼休みをはさんで午前と午後に行われ、前者を「前場」、後者を「後場」と言います。東京証券取引所での株式取引については、前場は午前9時〜11時、後場は午後0時30分〜3時となっています。なお、立ち会いの最初を言う「寄り付き」は、前場と後場のそれぞれにありますが、単に「寄り付き」と言った場合は通常、前場の寄り付きを指すので、後場については「後場の寄り付き(略して後場寄り)」といって区別するのが普通です。また、1日の立ち会いの最終取引が「大引け」で、これは後場の最終取引を指します。ちなみに、前場の最終取引は「前引け」と言います。


個別元本(こべつがんぽん)

平成124月から制度導入された、追加型国内株式投信における受益者毎の投資元本(個々の受益者がファンドに信託した単位口当りの額)のこと。平成123月までは全受益者共通で平均信託金からの利益が課税されていましたが、個別元本導入により、解約・償還時には受益者毎に個別元本を上回る部分が配当所得として課税されることとなりました。個別元本は個々の受益者が買付けた毎の基準価額(売買基準価額)から移動平均法により計算されますが、制度移行時には平成123月末の平均信託金が個別元本とされたため、それ以前の保有分については受益者毎の買付価額とは一致しません。個別元本には手数料・消費税等は含まず、また、特別分配金が支払われた場合はその分が減額されます。


サ行


債券(さいけん)

国や地方自治体、事業会社などが資金を調達するために発行する有価証券。債券の代表的なものは国債ですが、そのほかにも、地方債や社債、外債、金融債など発行元によってさまざまな種類があります。債券は予め償還価額や一定の利子が支払われることが約束された有価証券です。債券にはいろいろなものがありますが、毎年決まった時期に利子が支払われる債券を「利付債」、一定期日ごとに利子を支払わず発行価額が償還価額より低く設定されている「割引債」などがあります。


最終利回り(さいしゅうりまわり)

単利のひとつで債券を償還まで保有したときに得られる利益の投資金額に対する割合を年換算し年率で表したものです。債券の利回りには、再投資を考慮している複利と、考慮していない単利があります。一般的に我が国においては、利付債は単利で、割引債は複利で計算されています。海外では、利付債、割引債に係らず広く複利が使われています。最終利回りは償還差益を残存年限で除したものに表面利率を加えたものを購入価額で除して求めます。【最終利回り={表面利率+(償還価額−購入価額)÷残存年限}÷購入価格×100


財務諸表(ざいむしょひょう)

決算期ごとに作成される会社の財務内容や業務成果等を明らかにした計算書類。商法では、貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益処分案の4つを「財務諸表」としており、これは取締役会の承認を経て、株主や利害関係者に報告されます。数字がびっしりと並んでいて、普通の人では理解しづらく敬遠したくなるものですが、会社の1年間における営業活動の結果が業績として示されており、会社経営を分析するうえで見逃せない書類です。証券取引法では、情報開示や投資家保護の観点から、上場企業などに提出が義務づけられている有価証券報告書には、公認会計士の監査した財務諸表をつけることになっています。


下げ足(さげあし)

株価が下落する動き、足取りを表します。基本的に、ケイ線に用いられている足どりの1つで、下降相場にあることを指します。反対に、上昇相場の場合は「上げ足」と言います。その足どりとは、ケイ線で表される足形を結んだものですが、上昇度合いによって、きめ細かくなったり、概略的になったりとさまざまです。前者は目先の相場の観察に、後者は中・長期的な傾向の観察に利用されます。ただし、これは「日足」「週足」「月足」「年足」と、指す期間によって傾向が変わります。一般的には、短期的な株価の下落を指すことが多く、例えば、急カーブで下落した場合などは「下げ足を速める」と言い表されます。


指し値〈指値注文〉(さしね)

株を売買する際、売りたい値段、買いたい値段を指定して注文すること。指し値注文は、「○○株を1,000円以下(以上)で1,000株買い(売り)」など、自分で売買の値段を決められるので、予想外の高値や安値をつかまされる心配がなく、安心できる注文と言えます。ただし、指し値での注文は、指し値より1円でも高ければ買えませんし、また1円でも安ければ売れません。このように少しの差で売買が成立しにくいという欠点があります。指し値注文は、相場の流れにまかす「成り行き注文」に比べて、株価が人気づいて値動きが激しい時は売買の機会を逃しやすく、機敏な売買には不向きな注文方法と言えます。


地合い(じあい)

相場の状況や雰囲気。「場味」とも言います。地合いがいい、地合いが悪いというように、地合いには強弱があります。株価の先高感に期待が持て、買い気が旺盛で取引量も多ければ、「地合いは強い」と言えます。逆に、株価の先行きに希望が持てず、買い気も薄く、取引量も少ない状態は、「軟弱な地合い」となります。地合いが強いと、少々の悪材料が出現しても相場はそれを乗り越えていけますが、軟弱な地合いでは、相場はいっそう悪化しかねません。バブル崩壊の後遺症による痛手で、平成不況に見舞われた日本の株式市場は、長い間、軟弱な地合いが続いていました。


時価総額(じかそうがく)

株価に発行済み株式数を掛けたもの。時価総額という場合、2つのことを表します。1つは市場全体の時価総額で、各銘柄の株価(終値)に、それぞれの上場株式数を掛け、それらを合計したものです。日本経済新聞に毎日掲載されており、とくに東証第1部の時価総額は、相場の過熱度や市場の規模などをみるためによく利用されます。もう1つは、個々の銘柄の時価総額で、これらは企業の価値を表します。


事業報告書(じぎょうほうこくしょ)

決算期ごとに会社の事業活動の概況を記載した報告書。事業報告書は、株主総会が終わってから株主や取引銀行など会社に関係を持っている人に配られるパンフレットです。


自己資本(じこしほん)

企業の総資本のうち、返済する必要のない資本。企業の総資本は、自己資本と他人資本で構成されています。自己資本は資本金や法定準備金、剰余金などで、自分の持ち分です。これに対し、他人資本は借入金や支払手形、買掛金などの負債であり、いずれは返済や支払いをしなければなりません。


自己売買(じこばいばい)

証券会社や銀行などが、自分の勘定を使って株式や債券、為替などに投資すること。「ディーリング」とも言います。例えば証券会社は、有価証券の発行引き受けや売買仲介業務だけでなく、自己の資金を用いて有価証券の売買を行い、それによって収益を得ることが認められています。もちろん、有価証券投資に伴うリスクも、この証券会社の負担になります。このようなディーリング業務に携わる人たちがディーラーです。その最大の目的は売買益の確保にありますが、同時に有価証券の流動性を高めるという目的もあります。つまり、ディーリングによって買い付けた有価証券を在庫として保有するとともに、投資家の買い注文があった場合などに、その在庫を用いて投資家に販売するといったケースがこれに相当します。とくに債券取引の場合、証券取引所での売買もありますが、多くは店頭市場で取引されており、証券会社がディーリングを通じて市場の流動性を維持することがあります。


自社株(じしゃかぶ)

企業が発行した自らの株式のことで、「自己株」とも言います。商法では、企業が自社株を所有することを原則禁じていましたが、19946月の商法改正により一部緩和されました。その後も徐々に緩和され、自社株買いは株主価値を高める手法として重要になっています。


システム運用(しすてむうんよう)

コンピューターを駆使したモデルを活用する運用のこと。システム運用には、日経225TOPIXをターゲットとするインデックス型の運用タイプと、モデルを活用してアクティブな運用を行うタイプとがあります。最近はシステム運用とほぼ同義な概念として、クォンツ運用という言葉が使われることもあります。


地相場(じそうば)

株の実力に見合った落ち着きのある株価水準。株は時に人気化して、その実態を離れて大きく上昇する場合があります。また、実態以下に評価されて下げる場合もあります。こうした株の上げ下げはどの株にもみられるものですが、多くの場合は株価は上げ下げを繰り返しながら、いつかはその企業の実力、例えば企業業績や財務内容などに応じた安定した水準に落ち着きます。そこを「地相場」と言います。地相場は固定したものでなく、時期や状況により、株価の座りのよい安定した水準は変わっていきます。


下値(したね)

時価よりも下の値段。株価は日々刻々と変化しており、状況によって上にも下にもいきます。その際、何をもって上下を判断するかというと、その時の株価が基準になります。例えば、時価が800円であれば、801円以上が上値であり、799円以下が下値になります。まだ下値があるかどうかは、株を買ううえで大切な判断基準になります。まだ安くなるのならば株は買えませんし、下値がどんどん切り下がっていく状態であれば、相場は下落相場にあると言えます。


仕手株(してかぶ)

大量の資金をもとに自ら相場をつくり出す「仕手」が、投機目的で売買のターゲットにする株。ひと言で言えば、仕手が手掛けるから「仕手株」となるのですが、特性として次のようなものがあります。まず、資本金が小さくて発行済み株式数が少ないにもかかわらず、市場に出回っている株が多い小型株は、値動きが軽く手掛けやすいのでターゲットにされやすいと言えます。また、通常の投資であれば重要視される業績などがあまり問題にされずに手掛けられるのも、仕手株の特性と言っていいでしょう。さらに、強気にも弱気にも解釈できる材料のある株も、投資家の思惑を誘って株価の動きが激しくなりやすいため、仕手好みの株と言えます。


資本準備金(しほんじゅんびきん)

株式の発行で得られた金額のうち、資本金に組み入れられていないもの。資本金は、単純に言えば株式の額面に発行済み株式数を掛けたものですが、増資などで新規に株式を発行したり、時価発行や時価と額面の間の値段で売り出される中間発行では、資本金に組み入れる額以上の金額が得られます。これが商法で定められている「資本準備金」で、法定準備金の1つです。例えば、額面50円の株を1億株、新たに発行して増資する場合、1,000円の時価で発行するとすれば、会社は1,000億円の資金を得ることができます。その際、商法では半分以上を資本金に組み入れることに定めているので、500億円が新たに資本金に組み入れられ、残りの500億円が資本準備金になります。


収益性(しゅうえきせい)

株式投資で得られる株主の利益。株式投資で得られる株主の利益は、いくつかあります。会社の業績がよければ、配当金が得られるし、株式分割(無償増資)があれば、無償で株式を取得できます。さらに、株式を売却する際、買った値段より高い値段で売れれば利益が生じます。収益性が高いかどうかは、これらの利益を勘案して判断されるもので、銘柄を選択する際の投資基準の1つとして重視されています。


純資産(じゅんしさん)

ファンドが保有している株式や債券などを時価で評価し、現預金、利息・配当金等を加えた金額から運用にかかるコストや未払金等の負債を差し引いた額。 ファンドが全体でいくらになっているかを示しており、信託財産の時価総額とも言えます。


証券アナリスト(しょうけんあなりすと)

企業の財務分析などを行うことで、その企業への投資価値の有無を判断する専門家。投資信託会社のファンドマネジャーや企業の財務部門、銀行や生命保険会社の有価証券投資担当部門などの職に従事している人たちの間では、取得率がきわめて高い資格の1つです。企業の財務分析などを通じて、株式投資を行ううえでの投資価値を判断することを目的としており、アメリカでは古くからある職業です。日本でも、1962年に日本証券アナリスト協会が設立され、79年から検定証券アナリストの試験が行われています。この試験に合格すれば、検定証券アナリストとしての肩書きを使えるようになりますが、この資格は国家資格ではないため、試験に合格しなければアナリストの仕事に従事できないというものではありません。


証券外務員(しょうけんがいむいん)

株式をはじめ有価証券の売買などを行う証券セールスマン。証券外務員になるには、日本証券業協会の試験に合格して、金融庁に登録しなければなりません。


証券コード(しょうけんこーど)

上場や公開されている株式や債券などをあらわしたコード(数字)。株式については、4桁であらわされ業種ごとに大きな分類が行われています。また、債券は9桁となっていますが、上5桁が回号で、下4桁が発行体をあらわすコードとなっています。


証券取引所(しょうけんとりひきじょ)

株式や債券などの有価証券取引が行われる取引所。株式や債券などの有価証券取引だけでなく、株式や債券などの先物取引やオプション取引なども行われる取引所もあります。我が国には、東京証券取引所を代表に、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所などがあります。


証券取引等監視委員会(しょうけんとりひきとうかんしいいんかい)

不公正な証券取引をチェックして摘発する機関。1991年に相次いで発覚した損失補填など証券取引に関する不祥事の再発を防止するために、92年に大蔵省内に設置されました。強制調査権を持ち、株価操作や損失補填、行き過ぎた大量の推奨販売など、不正な取引や営業活動の疑いがあれば証券会社や銀行などに立ち入って検査や調査を行い、不正が裏付けられたり疑いが強まれば捜査当局に告発します。


上場基準(じょうじょうきじゅん)

株式などの証券が取引所で上場されるための基準。取引所で株などが売買されるようになることを「上場」と言いますが、上場に際しては、投資家保護や、上場してから取引が公正で円滑にできるかの観点から、上場企業の経営内容などいくつかの面でのチェックが行われます。具体的には、企業が継続して営業を続けられるか、収益は確保できているか、経営は健全であるか、経営内容は適切に情報開示されているか――等で、発行株式数や浮動株式数、純資産額などが細かく規定されています。


上場廃止基準(じょうじょうはいしきじゅん)

証券取引所での株式の売買ができなくなる基準。上場会社が倒産すれば、取引所での株の売買は当然できなくなり、上場廃止になりますが、この他にも時価総額や取引量など取引所ごとにいくつかの基準が設けられています。


上場銘柄(じょうじょうめいがら)

証券取引所で売買されている株式。上場銘柄にも、いくつか種類があります。東京、大阪、名古屋の各取引所は1部市場と2部市場があり、指定に基づいて株式が取引されています。それぞれを「1部上場銘柄」「2部上場銘柄」と区別する場合があります。また、それ以外の地方取引所に単独上場されている株式もあり、「地方単独上場銘柄」と呼びます。


新株(しんかぶ)

既に発行されている株式を保有している株主に対して割当てを行い新たに発行された株式のことを言います。これに対して既に発行されていた株式のことを「旧株」や「親株」と言います。


新株予約権(しんかぶよやくけん)

新株予約権とは、その所有者が発行会社に新株を発行させる、または発行会社の自己株式を移転させる権利のこと。従来の転換社債における転換権、新株引受権、ストックオプションを総称したものです。


信託期間(しんたくきかん)

預金の満期と同じようなもので、投資信託の運用が終了する期日。かつては信託期間を5年程度に設定するファンドが多かったのですが、最近は投資信託の長期保有の重要性が認知され始めており、信託期間は徐々に長期化の方向へと向かっています。最も多いのが10年程度で、なかには無期限のものも登場してきました。ただし、信託期間はあくまでも目安であり、必ずその期日に償還されるとは限りません。例えば、運用期間中に解約が急増し、ファンドの運用が困難になった場合など、信託期間の満了前でも強制的に償還されることがあります。また、いつでも自由に追加購入できるオープン型のファンドでは、最初に定められた信託期間が満了になっても、約款の変更によってさらに信託期間が延長されることもあります。


信用取引(しんようとりひき)

投資家が証券会社に委託保証金を預託することにより、買付資金や売付株式を借りて行う取引。信用取引で借りた買付資金や売付株式は一定の期間内に返済する必要があります。アメリカにならって1951年に始まりました。信用取引には仮需を生みだし、株式市場の流動性を高める役割もあります。信用取引ができる銘柄は限られており、すべての銘柄が信用取引の対象ではありません。


信用銘柄〈制度信用銘柄〉(しんようめいがら)

証券取引所やジャスダックが定める信用取引を行うことが可能な銘柄。実際に信用取引ができるかどうかは、各証券会社が信用銘柄の中から決定します。


スタンダード・アンド・プアーズ(すたんだーど・あんど・ぷあーず)

アメリカの民間の有力債券格付け機関。債券は、株式などと比較すると安全であると言われますが、それでも発行元の業績によっては、元本や利息の支払いが滞る債務不履行になってしまう場合があります。そこで、債券の元利金が支払えるどうか、その確実性の度合いを検討してランク付けが行われています。このランク付けをするのが格付け機関で、スタンダード・アンド・プアーズはアメリカのムーディーズと並ぶ世界的な2大格付け機関の1つです。日本でも、金融庁の指定格付け機関5社の中に入っています。米国流の手法を駆使した同社の格付けは、日本企業の債券の格付け審査における判定基準ろなっており、時に批判を浴びることもありますが、ムーディーズとともにその影響力は圧倒的で、債券の格付けが株価にすぐさま反映することもしばしばです。


ストックオプション(すとっくおぷしょん)

役員や従業員等が自社株を一定の価格で買い取ることのできる権利。日本では、1995年に一部ベンチャー企業に、すべての企業には97年に認められました。一種の成功報酬制度で、アメリカでは多くの企業が取り入れており、企業経営者の高額報酬はこの制度によるものと言われています。その仕組みは、権利が生じた時、株式の購入金額と株数をあらかじめ決めておき、一定期間(18年)が経てば権利を行使できる、つまり株を買い取ることができるというものです。購入金額は通常、権利が生じた時の時価かそれより低い価格に設定されるため、将来株価が上がれば値上がり益が得られます。役員や従業員の業績向上への意欲を高め、優れた人材確保にもつながることから、日本の企業でも導入するところが多くなってきています。


ストップ高(すとっぷだか)

1日における変動幅の限度まで株価等が上昇すること。取引所等は、株式等の価格が急激に変動すると市場に混乱をもたらす可能性があること、また投資家保護の観点から1日における価格変動の幅を制限しています。価格変動の幅は、価格帯によって異なります。変動幅の上限まで株価等が上昇することを「ストップ高」、下限まで株価等が下落することを「ストップ安」といいます。


ストップ安(すとっぷやす)

1日における変動幅の限度まで株価等が下落すること。取引所等は、株式等の価格が急激に変動すると市場に混乱をもたらす可能性があること、また投資家保護の観点から1日における価格変動の幅を制限しています。価格変動の幅は、価格帯によって異なります。変動幅の上限まで株価等が上昇することを「ストップ高」、下限まで株価等が下落することを「ストップ安」といいます。


スプレッド(すぷれっど)

2つの商品における価格差のことで、この差異に注目した取引を「スプレッド取引」と言います。株にしても債券にしても、各銘柄の間には必ず価格差や利回り差が発生します。この差の動きを注意深く見ながら、割高な銘柄を売り、割安な銘柄を買えば確実に利益を得ることができます。ただし、株の場合は、あらかじめ決まった銘柄間のスプレッド取引というものがあるわけではなく、投資家が経験則や比較観から独自に選んだ複数の銘柄どうしの差異を利用して売買を行います。商品取引の世界では、これを「サヤ取り商い」と呼びます。先物取引、オプション、債券などでは、スプレッド取引が活発に行われます。


整理ポスト(せいりぽすと)

上場廃止が決まった銘柄が入るポスト。証券取引所のなかに現実にポストがあるわけではありませんが、廃止の事実を投資家に知らせるために、他の上場銘柄とは区別して取引を行っています。


セクター(せくたー)

株式を業種やテーマ、材料ごとに分類し、銘柄の集まりをつくること。ある材料について、同じような動きをする銘柄はたくさんあるものです。同じ業種内では、同様の値動きをする銘柄がいくつもありますが、ほかにも輸出関連と内需関連に分けたりすることができます。また、例えば、情報通信関連、バイオ関連などのように、テーマに沿ういくつかの銘柄が人気を集めるのも、その前提でセクターとして分類・区分け作業が行われていることになります。業種別のほかには、発行株数によって大型株、小型株に分ける、株価水準によって値ガサ株、低位株に分ける例もあります。買い手に注目し、機関投資家銘柄、材料仕手株とに分けることも、一種のセクター分類と言えるでしょう。


前場(ぜんば)

午前中に行われる立ち会い。立ち会いとは、取引所で株式の売買をすることです。東京証券取引所が決めている取引時間は、午前中は9時から11時の2時間になっています。株式だけでなく、転換社債やワラントなどの債券や株価指数先物などの取引も、同様です。通常は、前場と後場の立ち合いがありますが、1月4日の大発会と1230日の大納会は前場だけの立ち会いとなります。


前引け(ぜんびけ)

前場の最後に成立した取引。後場の大引けに対応したもので、前場の立ち会いは、寄り付き、ザラバ、前引けの順に流れていきます。前引きに付けた値段は、株価的にはそれほど意味を持たず、終値(引け値=大引け値)は新聞朝刊に掲載されますが、前引け値は掲載されません。また、大納会と大発会は前場だけの立ち会いですが、この日は前引きではなく大引けになります。


増資(ぞうし)

会社が資本金を増やすこと。「資本増加」の略です。資金調達のために新株を発行する有償増資には、特定の対象者に向けた割り当て募集と、不特定多数の一般投資家を対象とする公募による増資があります。前者は、株主割り当て増資や第三者割り当て増資です。後者は、時価発行増資、新株を額面で割り当てる額面発行増資、さらに時価と額面の中間の価格で割り当てる中間発行増資があります。一方、資本準備などの資本への振り替えによって株式分割を行うなど、株主から払込金を取らない増資もあります。


相場操縦(そうばそうじゅう)

株式や債券などの相場を人為的に上下させることで、自己の利益を得ようとする行為。株式相場のみを対象とする時は「株価操作」と言う場合もあります。具体的には、同一の株に同時に売買注文を出し、権利の移転を目的としない仮装の売買を行う「仮装売買」や、他業者などと通牒して同様の行為を行う「なれあい売買」などがこれに当たります。証券取引法159条で禁止されています。


貸借取引(たいしゃくとりひき)

一定期間株券を貸し出したり、借りたりする取引のこと。株券を貸し出した場合には品貸料を受取り、株券を借りたときには品貸料を支払います。一般には、返済時に同種・同量・同等のもので返済することのできる消費貸借取引となっています。また、信用取引などで証券会社が証券金融会社から株式を借りることができる銘柄を貸借銘柄と言い、貸借銘柄の信用取引を貸借取引ということもあります。


大証(だいしょう)

大阪証券取引所の略称。大阪証券取引所は、日本では東京証券取引所(東証)に次ぐ規模の取引所となっています。


大暴落(だいぼうらく)

全銘柄が大幅に株価を下げる状態。株価は、悪材料の噴出などによって大幅に下落することがあります。その材料の中身が衝撃的であればあるほど、株価は大きく値を下げます。いわば「大暴落」という状態になるわけです。相場全体をみた場合、暴落が日経平均株価で500円程度の下げだとすると、大暴落は1000円以上の下げのケースで使われる言葉です。最も恐慌的な下げを「ガラ」と言い、株式市場が立ち直るまでには相当な時間を有します。近年、世界的に有名な大暴落は、19871019日月曜日にニューヨーク市場で起きた「ブラックマンデー」であり、ドル不安によってダウが508ドルも下げました。一方、個別銘柄の場合、日本の株式市場では、「値幅制限」と言って一定水準以上は株価が値下がりしないよう、値動きに制限が設けられています。


ダウ工業株30種平均(だうこうぎょうかぶさんじゅしゅへいきん)

アメリカのダウ・ジョーンズ社が発表する工業株30銘柄を対象とした平均株価指数で、NYダウ工業株30種やNYダウとも呼ばれています。アメリカを代表するニューヨーク株式市場の重要な指標として活用されています。1928年の発表当時は単純平均株価でしたが、現在では指数の連続性を維持するために修正平均株価になっています。ニューヨーク株式市場は、日本の株式市場に対して強い影響力を持ち、連動性がみられるため、鉄道株20種平均、公共株15種平均、総合65種平均とともに、日本でも重視されています。


立ち会い(たちあい)

取引所で会員が集まって売買取引を行うこと。「場立ち」と呼ばれる会場代表者と才取会員とが売買契約を決めていきます。ただし、最近ではコンピュータによるシステム売買化が進んだ結果、東証では19995月から場立ちが廃止されました。


チャート分析(ちゃーとぶんせき)

チャートのかたちから相場の上げ下げや流れを分析・予測すること。株価や出来高などの数値を統計的、心理的に分析して、将来の相場を読み取ろうとするのがチャート分析の基本です。いくつかの代表例をあげると、広く普及しているのは移動平均線で、6日、5週、200日など過去一定期間の株価の平均値を線で表し、相場の趨勢や転換点を判断するのに用いられています。ローソク足のいくつかの天井値、あるいはいくつかの底値を線で結んだものが「トレンドライン」で、それが右肩上がりであれば相場の基調は強いと判断します。また、チャートの山が3つ並び、真ん中の山が一番高いのは「三尊型(ヘッド・アンド・ショルダー)」で天井打ちを意味し、過去と直近の2つの底値が一致すれば「ダブル底」で底入れの合図と読み取れます。株価に出来高を加味したのが「逆ウオッチ曲線」で、時計の針に例えると6時が大底圏、12時が天井圏となります。このほか、チャート分析には騰落レシオ、サイコロジカル・ライン、一目均衡表、新値三本足などさまざまな手法があります。個人投資家としては、自分と相性のいいチャート分析法をみつけ、投資判断に生かすことが大切です。


注意銘柄(ちゅういめいがら)

株式市場が過熱ぎみの時に、取引規制の対象となる銘柄。株式市場は、現物取引と信用取引によって株価が形成されますが、信用取引は短期的な利ザヤ稼ぎを狙ったものですから、時にはきわめて投機的な相場展開になりがちです。このように投機的な値動きを繰り返す銘柄は、「日々公表銘柄」に指定され、毎日の信用取引の残(信用残)が公表されます。


直接金融(ちょくせつきんゆう)

企業が資金を調達する際に、証券市場を通じて資金を供給する人から直接調達すること。従来は企業が資金調達する時は、銀行などの仲介者を通じて融資のかたちで調達することが主流でした。戦後から高度成長期まで長期間続いた資金の流れ方で、これを「間接金融」と呼びます。しかし、証券市場が整備され拡大すると、企業は時価発行などで資金の供給者である個人や機関投資家から資金を調達するようになりました。これを「直接金融」と言い、証券会社が貸し手と借り手の間に立って仲介役を果たします。直接金融が浸透した1970年代は、「銀行よさようなら、証券よこんにちは」というキャッチフレーズが流行しました。1240兆円の個人金融資産や金融ビッグバンを背景に、今後はさらに直接金融のウエイトが増すものと予想されています。


月足(つきあし)

株価の値動きをあらわすケイ線の一種で、1ヶ月毎の値動きをあらわしたもの。この他に日足や週足などがあります。株価の動きを図表化する場合、ローソク足がよく用いられます。これは、株価の動きを四角で表したもので、始値より終値が高ければ白い四角、逆に終値が低ければ黒の四角で示されます。月足の場合、月の最初についた値段が始値(休日でなければ1日の寄り付き値)、終値は休日でなけば月末日の引け値になります。その月の高値、安値は、四角の上下にそれぞれ「ヒゲ」と呼ばれる線で描かれます。月足は、中期の株価動向を占う指標として利用されます。


デイ・トレーダー(でい・とれーだー)

低コストのインターネット取引などを利用し、1日計算の超目先売買を行う個人投資家。アメリカでは、株式売買手数料の自由化やコンピュータの普及を背景に、低コストのインターネットを利用し、1日に何回も売買を繰り返す「デイ・トレーダー」と呼ばれる個人投資家が登場しました。アメリカ株の過熱ぶりを象徴する存在ですが、こうした個人投資家を専門に取り込んで急成長するオンライン証券会社も急増しています。


出来高(できだか)

証券取引所で成立した株式の株数。株式の売買は、売り方と買い方の間で株数と値段が一致した時に成立します。この成立した株数の合計がその銘柄の合計になります。出来高の計算は、例えば売り方3,000株、買い方3,000株で成立したとすれば3,000株が出来高となります。上場銘柄の出来高を合計したものが各証券取引所の出来高となります。出来高は市場の人気を表すバロメーターで、個別銘柄であれば上げ相場では出来高が増えますし、下げ相場では出来高は減少してきます。また、全体の出来高は、市場エネルギーの大小を測るモノサシとして利用されています。


テクニカル・アナリスト(てくにかる・あなりすと)

証券または産業界に関する問題について調査を行い、投資家に役立つような結論を導き出す専門家のうち、チャート分析を重視するもの。一般に、証券会社をはじめ、銀行、機関投資家などは通常、1種ないしは数種の産業について専門的調査を行うアナリストを擁しています。「テクニカル・アナリスト」は、とくにチャート分析に力点を置いて調査を行うアナリストを指します。これに対して、企業の資産や収益、配当などの基礎的要因を重視して分析する人を、「ファンダメンタル・アナリスト」と呼んで区別しています。日本では1962年に、証券分析を通じて証券投資の健全な発展に寄与する目的で、東京証券アナリスト協会が設立され、その後、1969年に日本証券アナリスト協会と改称しています。ここで行われる検定試験にパスし、一定期間の実務を受けた人が、協会の検定会員として公認のアナリストとして認められます。


手じまい(てじまい)

信用取引による売り、買いを反対売買で決済すること。信用取引は証券会社などから資金や株を融資してもらって売り買いをしますが、決済は6カ月以内の反対売買で行われるのが普通です。例えば、投資家が3,000株を売っていれば3,000株の買い戻し、3,000株を買っていれば3,000株を売って、その際に利益が出ていれば利益分を受け取り、損失があればその分を支払います。前者を「手じまい買い」、後者を「手じまい売り」と言います。これは新規の買いと売りを区別するために用いられている言葉です。


投資信託協会(とうししんたくきょうかい)

投資信託の健全な発展を図るために、19577月に社団法人として設立されました。業務を円滑に行うための自主規制ルールの制定・実施、投資信託の普及・啓蒙活動 、評価会社等への投資信託情報の提供などを行っています。


東証(とうしょう)

東京証券取引所の略称。東京の日本橋兜町にある日本最大の証券取引所が東京証券取引所です。第1部、第2部、マザーズの株式市場のほかに、公社債、転換社債などが上場されています。


東証株価指数(とうしょうかぶかしすう)

日経225種平均株価と並ぶ日本を代表する株価インデックスの1つ。通常は「TOPIX」と呼ばれます。東京証券取引所が1969年7月1日から公表している株価インデックスで、東証1部上場全銘柄を対象に、その時価総額を指数化したものです。基準日は6814日で、この日を100としています。株価インデックスとしての歴史は、日経225種平均株価のほうが長いですが、同平均株価は東証1部上場銘柄のうち225種銘柄の平均株価であり、サンプル数の少なさから、市場全体の値動きと乖離した価格形成に陥るケースがあります。これに対してTOPIXは、全銘柄を対象とするため、比較的市場全体の値動きを的確に反映します。また、TOPIXを対象としたデリバティブとしては、将来の売買価格を現時点で取り決めておくTOPIX先物取引、一定期間後の将来、特定の価格でTOPIXを売買する権利を売買するTOPIXオプション取引などがあります。


トレンド分析(とれんどぶんせき)

チャート分析の1つで、株価の上昇、下降、横バイという3つの趨勢により相場を予測する手法。相場は動き出すと、しばらくは一定の方向に動く習性があります。株価が上昇、下降、もしくは横バイのいずれの方向にあるのかを判断する手法として、「トレンド(趨勢)分析」があります。例えば、いくつかの天井値や、いくつかの底値を結んだ線を「トレンド・ライン」と言い、これが上昇している間は相場は強いと判断します。また、株価が上昇トレンドを割り込めば売り転換、下降トレンドを上に突き抜ければ買い転換と判断します。つまり、上昇トレンドまたは下降トレンドに変化がみられない時に限って、投資スタンスを持続するか、見送りを継続するかを決めればいいわけです。投資判断とタイミングをつかむのにぴったりの分析手法と言えます。


内部者(ないぶしゃ)

インサイダー取引において、会社内部の情報に最も近い位置にいて刑事罰の対象になる者。インサイダー取引は、会社関係者が一般投資家に情報が公開される前に、その情報を利用して自社株を売買し、利益を図る不公正な取引で、法律によって厳しく規制されています。インサイダー取引に関わった会社関係者は処罰されますが、会社関係者の範囲は、会社内部の情報に接触できる近さによって、内部者、準内部者、情報受領者にわかれます。


ナスダック(なすだっく)

アメリカの店頭株式市場。「NASDAQ」と表記されます。全米証券業協会(NASD)が管理・運営している株式市場で、主にハイテク関連などのベンチャー企業が株式を公開し、資金調達を行っています。マイクロソフト、インテル、アップルコンピュータなどが、ナスダック公開銘柄として名前を知られています。NASDAQ公開企業は会社設立後、数年しか経っていない企業でも株式を公開できますが、その一方では四半期ごとの企業ディスクロージャーを求められるなど、投資家保護のための情報開示には厳しい条件が課せられています。また、毎年、公開した企業数と同程度の企業が公開廃止になるなど、生き残りの厳しい市場でもあります。なお、NASDAQの公開株式全体の値動きを表すのが「NASDAQ指数」と呼ばれるものです。


成り行き〈成行注文〉(なりゆき)

株を売買する際、売りたい値段、買いたい値段を指定せずに注文すること。相場の流れにまかす注文を指し、株価が人気づいて値動きが激しい時でも売買の機会を逃しにくく、機敏な売買に向いた注文方法と言えます。これに対し、指し値注文は、「○○株を1,000円以下(以上)で1,000株買い(売り)」など、自分で売買の値段を決められるので、予想外の高値や安値をつかまされる心配がなく、安心できる注文と言えます。ただし、指し値での注文は、指し値より1円でも高ければ買えませんし、また1円でも安ければ売れません。このように少しの差で売買が成立しにくいという欠点があります。


日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)

相場全体の流れをつかむ株価指標として最も利用されている代表的な株価指数。新聞やテレビが株式市況を報道する際、株式相場の動向を示すものとして最初に触れるのが日経平均株価です。1949年5月16日、東証再開時から算出されており、投資家だけでなく一般の人にも親しまれています。日経平均株価は東証1部上場の225銘柄を構成銘柄として、それら個々の銘柄の株価の単純平均をベースに新株落ち分を修正して株価に連続性を持たせています。その修正方式がアメリカのダウ・ジョーンズ社の開発したものなので、かつては日経ダウと呼ばれていましたが、1985年5月にその権利を日本経済新聞社が買い取り、株価の算出と発表をするようになったので、日経平均株価となりました。株式先物取引や株式オプション取引でも代表的な指数として利用されています。


値つき(ねつき)

市場で株式の売買取引が成立して値段がつくこと。株式市場にはさまざまな売り注文や買い注文が出されます。それらが突き合わされて値段や数量などの条件が折り合えば、取引は成立して値段がつきます。銘柄によっては、売り注文はあるが買い手がないとか、市場に流通する株が少ないため、取引が成立しづらく値段がなかなかつかないものがあります。いわゆる「値つきが悪い」銘柄です。逆に、取引が成立して値段がつきやすい銘柄は、「値つきがいい」と言います。また、値つきは相場全体の状況にも左右されます。活況であれば値段のつく銘柄は増えますし、閑散状況であれば値段のつく銘柄は減少します。上場銘柄で何銘柄に値段がついたかを%表示したものが「値つき率」で、市場人気を表すモノサシとして利用されています。


乗り換え(のりかえ)

現在保有しているものを売却して、別のものを購入すること。例えば、現在保有している株式の値動きが思わしくないときに、この株式を売却して、値動きのよい株式を購入してより良い運用成果を求めようとしたりすることを言います。


配当(はいとう)

企業が事業を通じて得られた利益を、株主に対して配分するもの。個人でも株式投資を行って株主になれば、その企業が決算を迎えた時に一定の利益配当を得ることができます。


配当落ち(はいとうおち)

株式投資などで配当金を受け取る権利が確定した翌日、出された配当金の分だけ株価が下落すること。証券取引所において売買される株式は、基本的に4営業日目に決済される決まりになっていますが、中間決算や本決算を迎えた銘柄は、決算日を含む5日前を、株式の保有者が配当を得らえる最終の取引日としており、この翌日に購入された株式については配当を受け取る権利がありません。これを「配当落ち取引」と言います。配当が出された銘柄は、理論的にはその株価が1株当たりの予想配当金の額だけ、前日よりも値下がりします。この、理論的に株価が安くなる額のことを、「配当落ち分」と言います。


売買監理銘柄(ばいばいかんりめいがら)

仕手筋の株集めなどで売買に著しい変動がある時に証券取引所が指定し、投資家に注意を促す制度。特定の投資家や仕手筋による株買い集めがあり、そのうえ株価が急激に上昇するなど売買が著しく変動する場合、証券取引所はその銘柄を「売買監理銘柄」に指定し、投資家に注意を促します。貸借銘柄が指定されると、日々信用残高が公表されます。なお、店頭株に関しては、証券会社の業界団体である日本証券業協会が売買監理銘柄の指定を行います。


売買取引停止制度(ばいばいとりひきていしせいど)

投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある情報が伝えられた場合に、その会社の株式売買を停止し、情報の周知を図る制度。新聞や情報端末などで取引時間の最中に、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある情報(例えば合併や買収などのニュース)が伝えられた場合、証券取引所はその会社の株式取引を停止し、会社側などに情報の確認・発表を求め、投資家に周知徹底させます。


始値(はじめね)

その日の取引がスタートして最初に付いた株価。「はじめね」と読みます。国内の株式市場における取引は、午前9時からスタートします。この取引が始まって、最初に付いた株価を「始値」あるいは「寄り付き」と言います。さらに、取引が終了する午後3時時点の株価を「終値」、その日の取引で最も高かった株価を「高値」、逆に最も安かった株価を「安値」と呼び、これらを総称して「四本値」と言います。日本経済新聞をはじめとして、全国紙の株式相場欄にはこの四本値が掲載されていますが、例えば買い注文ばかりで売りがまったくない場合、逆に売り注文ばかりで買いがまったくない場合などは、取引が成立せずに始値も存在しないことになります。この場合、株式相場欄などには株価の代わりに、「−」という記号が明記されます。


早耳(はやみみ)

相場を動かす材料を、他の誰よりも早く知っていること。株式に限らず、相場はさまざまな材料で動くものですが、その材料を誰よりも早く知っている人のことを「早耳筋」と言います。また、材料を早く知って売ることを「早耳売り」、逆に買うことを「早耳買い」、早耳で相場を張って売買したものの、結果的に損失を被ってしまったことを「早耳損」などと呼んでいます。株式用語であると同時に、商品先物取引の世界でもよく用いられる言葉です。確かに、相場はちょっとした噂だけで大きく動くこともありますが、それが真実でなければ、再び元の水準に戻ります。早耳買いで短期勝負をかけるのも株式投資の1つの方法ですが、それにはかなり高いリスクがつきまとうことを忘れてはなりません。


ファイナンシャル・プランナー(ふぁいなんしゃる・ぷらんなー)

主に個人の資産運用、ライフプランの策定などの相談に乗り、具体的なプランの構築を行う専門職。金融ビッグバンの流れのなかで最も注目されている専門職の1つです。個人のライフプランに基づいて具体的な資産運用計画を立てたり、保険の見直しや相続税対策、不動産活用なども含めた幅広いアドバイス業務を行います。ただし、すべての分野に精通するというよりも、必要に応じて弁護士や税理士、公認会計士といった専門職との人的ネットワークを活用し、そのコーディネートを行うことによって、顧客の相談ニーズに対応するケースが一般的です。日本ではまだ完全に定着したとは言えず、完全独立で経営が成り立っているファイナンシャル・プランナーはほんのひと握りに過ぎないのが現状です。


ファンド(ふぁんど)

「基金」の意味で、多数の人から資金を募り、それで投資などを行う集団投資スキームを指しますが、一般的には投資信託の意味合いで用いられます。投資信託のように、不特定多数の投資家から資金を集め、それで特定の有価証券などに投資する金融商品は、ほかにもたくさんあります。例えば、貴金属や原油、農産物などの先物市場で運用する「商品ファンド」、不動産に投資する「不動産ファンド」などがそうです。また、年金のことを英語では「ペンション・ファンド」などと言います。ある意味で預貯金も、不特定多数の預金者からお金を集め、それを民間企業などに融資してリターンを得るという点では、ファンドの一種と言えるでしょう。つまり、ファンドとは、非常に幅広い概念を持っているのですが、一般的には投資信託のことをファンドと称するケースが多いようです。


ブローカー(ぶろーかー)

取引の仲介を行う業務、又は仲介を行う人のこと。証券会社が、有価証券の売買等の媒介、取次ぎ又は代理を行うことを「ブローカー業務」と言います。証券会社が、投資家の株式注文を証券会社名義で市場につなぎ取引を成立さたり、投資家の注文と別の投資家の注文とを合致させることで取引を成立させたりします。又、銀行間などの為替取引きを仲介する業者などのこともブローカーと言います。


粉飾決算(ふんしょくけっさん)

企業の経営状況などをよくみせるために、決算内容の数値をごまかして公表すること。商法や証券取引法などで禁じられた行為です。水増しされた利益が発表されると、適正な株価形成などに支障を来たすことになります。また、倒産寸前にもかかわらず、決算の粉飾で企業内容が健全であるかのようにみせかけられると、その決算を信じて株式を購入した株主や、取引先企業などにも悪影響が及ぶことになります。


ベンチャー・キャピタル(べんちゃーきゃぴたる)

新興企業などのベンチャー企業に出資したり、資金を貸し出すなどしてリターンを求める企業又はその資金のこと。新興企業などはその業務が確立されたものではなく、新しいものを創造することから確実性は低く、リスクが高い反面、成功したときには大きなリターンが見込めます。


暴落(ぼうらく)

株価が急激に下落すること。株価は、悪材料の噴出などによって大幅に下落することがあります。その材料の中身が衝撃的であればあるほど、株価は大きく値を下げます。いわば「暴落」という状態になるわけですが、日本の株式市場の場合、「値幅制限」と言って、一定水準以上は株価が値下がりしないよう、値動きに制限が設けられています。値幅制限一杯まで値下がりした状態のことを「ストップ安」と言います。ちなみに、ストップ安のままその日の取引を終え、それでも売り注文が残された場合は、翌日の取引に回されます。


窓(まど)

チャート分析に用いられる用語で、株価が強烈な上昇・下降に転じた時に生じるローソク足の断層。通常、株式のチャート分析には、その日の始値、高値、安値、終値の四本値を1本の線で表すローソク足が用いられます。このローソク足は、多くが前日のものに対してどこかが重なり合うものですが、時折強烈な買い材料、あるいは売り材料が出て株価が大きく上下すると、株価が前日の動きから飛び離れることがあります。この飛び離れた分を「窓」、または「空(くう)」と言います。この窓が開いて相場が上に離れた場合は、かなり強い上昇を、逆に下に離れた場合は、かなり強い下落を示しており、窓が3日続けて開いた場合は、相場の大天井、もしくは大底のサインとみられています。


見送り(みおくり)

取引が活発に行われない状況。とくに目新しい材料があるわけでもなく、投資家の関心も低いような銘柄は、「見送り商状」と言って、ほとんど売買されないことがあります。当然ながら出来高も少なく、株価の値動きも小幅になるのが一般的です。また、個別銘柄だけではなく、株式市場全体の取引状況を指して、「見送り」という言葉が用いられることもあります。景気の先行き不透明感などが強い場合や、金融政策当局者などからマーケット全体の動きを変えるような材料が出る直前には、その方向性を見極めるまで株式などのリスク資産の売買が差し控えられることから、その取引が見送られるのです。このほか、日銀短観やGDP統計など重要な経済指標が発表される前も、取引が差し控えられるケースがあります。


銘柄(めいがら)

有価証券の名称のこと。株式の場合は発行体である企業名のことを言い、債券の場合は回号と発行体の企業名や債券の名称を言います。有価証券にはその銘柄をあらわす数字が付されており「銘柄コード」と呼ばれています。


持ち株会社(もちかぶがいしゃ)

事業を行う事を目的とせず、企業の株式を持つことによって複数の企業を取りまとめて効率的に事業を推進しようとする会社のこと。以前は独占禁止法に抵触するため、持株会社の設立は認められていませんでしたが、商法改正によって199810月から持株会社の設立が解禁されました。持株会社の解禁により、効率的な事業再編ができるようになり、業界の再編などが進みました。


もみあい(もみあい)

売り手と買い手が長く売買の競り合いをし、相場の方向性が定まらない状況。株式の売り手と買い手が売買を競り合うようになると、株価は上下を繰り返し、相場の方向性が定まらなくなる場合があります。このような均衡状態が長く続くと、買い手、売り手の双方が投資できる資金の許容範囲目一杯まで相場を張ることになるため、なんらかの要因で相場の均衡が崩れると、一気にどちらかの方向に相場が動く傾向が強まります。つまり、思惑が外れた側は、損失を少しでも最小限に抑えるため、取引を終了させる動きに出るからです。


約定(やくじょう)

取引が成立すること。投資家が証券会社などを通じて株式の売買注文を出し、その取引が市場で成立することが「約定」です。約定が決まった株価のことを「約定値段」、受け渡しが行われる総代金のことを「約定代金」と言います。また、約定された日は「約定日」で、株式取引の場合、売買にかかる現金の受け渡しは、約定日から起算して4営業日目と決められています。


有価証券(ゆうかしょうけん)

広義には財産的価値を有する私権を表象する証券として、狭義には証券取引法に定められた証券をあらわします。広義の有価証券には、船荷証券、倉庫証券などの「物財証券」、貨幣、小切手などの「貨幣証券」、株券、債券などの資本証券などです。一方、狭義の有価証券とは証券取引法に定義されている国債、地方債、社債、株券、投資信託、貸付信託の受益証券などを言います。


様子見(ようすみ)

相場の見通しが立たないため、売りにも買いにも動かず、相場の成り行きを見守る状態。「模様眺め」とも言います。現物取引であれば、将来的にその銘柄が値上がりするという見通しが立たない限り、投資家は具体的な投資行動には移りません。また、信用取引でも同様で、売り買いのいずれかから取引を始めるにしても、結局は値上がり、値下がりのいずれかに相場が動くという確信が得られない限り、投資家は具体的な投資行動には移りません。相場を動かす材料が出ず、相場の方向性が見極められない場合は、多くの投資家が相場の成り行きを見守ることになります。このほか、重要な景気指標の発表前は、その結果を受けて相場がどのように動くのか判断がつきにくいため、やはり模様眺めの様相を呈してきます。


寄り付き(よりつき)

その日の取引で最初に成立した取引。株式の取引がスタートすると、その日の買い注文と売り注文とのつけ合わせが行われ、売買が成立した銘柄から順々に取引が成立していきます。この最初に成立した取引が「寄り付き」で、その株価を「始値(はじめね)」と言います。ただし、売り注文の株価が買い注文の株価と乖離している場合や、買い注文がある一方で全く売り注文がない場合、逆に売り注文が殺到している一方で買い注文がまったくない場合は、取引が成立せずに寄り付かないことになります。このような場合は、気配値のみが表示され、寄り付くまでこの状態が続きます。


利食い〈利食い売り〉(りぐい)

保有株式を売却して利益を確定すること。「利食い千人力」という相場格言があります。株価が上昇局面に入った時、多くの投資家はさらに値上がりするという期待感のもと、その株式を保有し続けようとしますが、いくら値上がりしている株式でも、売却しない限りは利益を確定させることはできません。つまり、含み益の状態では、仮に株価が下落に転じた時、それまで積み重ねてきた利益を失うことにもなりかねないのです。売却して利益を確定させておけば、その後、株価が下落したとしても、なんら恐れることはありません。利食い売りは千人力に等しいということです。「タイヤキの頭と尻尾はくれてやれ」などと言うこともありますが、大きく値上がり益を取るのではなく、ほどほどの利益が出たところで売却するのが、相場の世界で成功する秘訣でもあるのです。


利回り(りまわり)

利回りとは、投資金額に対する利益の比率で、年率であらわされます。利回りには、再投資を考慮しない単利利回りと、再投資を考慮した複利利回りがあります。また、投資金額に対する利息の比率をあらわした直利利回りがあります。一般に、我が国で発行された円貨建ての債券については利付債は単利利回りで、割引債は複利利回りで表示され、海外で発行された債券は利付債、割引債に関係なく広く複利利回りが使われています。利回りは、債券の投資成果を測るためのものさしとして使われています。


ADRAmerican Depositary Receipts

アメリカで発行される預託証券。アメリカで外国の株式を流通させる制度。アメリカ企業以外の株式を、アメリカで流通させるために、言語、法律、取引慣行などの違いを調整し、アメリカで円滑に取引が行われるようにした有価証券。


AmexAmerican Stock Exchange

アメリカの証券取引所の一つ。アメリカン証券取引所という。


CBConvertible Bonds

所有者があらかじめ定められた条件で、一定期間内に株式に転換できる社債。CBは株式の有利性と債券の確実性を備えた商品です。CBを株式に転換する条件である転換価格の近辺に株価がある場合、CBの価格は株式にある程度連動して上下するので株式の有利性を備えているといわれます。また、株価が転換価格より大幅に下落している場合でも、債券としての価値にCBの価格は支えられて流通し、満期時には決められた金額で償還されることになります。転換社債型新株予約権付社債というのが正式名称。


CSRCorporate Social Responsibility

「企業の社会的責任」あるいは「企業の社会に対する責任」。企業の活動に、社会的公正や倫理、環境への配慮を取り入れ、ステークホルダー(消費者、従業員、地域社会)に対し責任ある行動を取るという考え方。


IOSCOInternational Organization of Securities Commissions

投資家保護、フェアーで、効率的で、透明な市場の確保、システミック・リスクの低減を目的とした国際的証券監督者機構。日本からは金融庁、証券取引等監視委員会、日本証券業協会、東京証券取引所などが参加している。


IPOInitial Public Offering

株式の新規公開のこと。


IRInvestor Relations

証券の発行体による投資家向け広報活動。


JASDAQ市場Japan Association of ecurities Dealers Automatic Quotations

ジャスダック証券取引所のこと。成長企業が多数上場している。


LBOLeveraged Buyout

買収先企業の資産を担保に資金を借り入れて買収。


MBOManagement Buyout

経営者による企業の買収。


NASDAQ市場National Association of Securities Dealers Automatic Quotations〉

アメリカの店頭株式市場。他市場にくらべ公開基準などの規制が緩いため、成長力が期待できる銘柄が多数公開している。


PBRPrice-to-Book Ratio

株価を一株当りの純資産で割った値で株式投資指標の1つ。一般にPBRが低い銘柄は割安だと判断される。


TOBTake Over Bid

不特定かつ多数の者に対し、公告により株券等の買付等の申込み又は売付け等の申込みの勧誘を行い、取引所有価証券市場外で株券等の買付け等を行なうことをいいます。公開買付ともいいます。


TOPIXTokyo Stock Price Index

東証1部上場全銘柄の動きを表す株価指数。時価総額加重平均方式で算出される指数、つまり、基準時点に対して時価総額がいくらになったかを示す株価指数。TOPIXは1968年1月4日を100として東京証券取引所が算出。日経平均株価との違いは、指数算出の対象銘柄が多い点に加えて以下の点があります。TOPIXは時価総額が大きな銘柄の株価変動によって指数が変化する割合が高いのに対して、日経平均株価は値嵩株(価格が高い株式)が指数に与える影響が大きいという違いがあります。